「軽貨物を始めたいけど、できれば安定した仕事がしたい」 「いきなり営業するのは不安。まずは仕事を任せてもらいたい」
そんな人に多く選ばれているのが、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などの大手企業の宅配業務委託ドライバーです。
第2回となる今回は、**軽貨物ドライバーの代表的な働き方の1つ「大手委託」**について、その仕組み、始め方、メリット・デメリット、向き不向きまでをわかりやすく解説します。
目次
大手委託とは?|配送業務を委託契約で請け負う働き方
ヤマト・佐川・ゆうパックなどの大手宅配企業は、自社社員に加えて、外部の軽貨物ドライバー(業務委託)に一部の配送業務を任せる体制を取っています。
特徴は以下の通り:
- 委託契約を結び、毎日決まったルートやエリアを担当
- 荷物は会社から提供され、営業は不要
- 軽バン(黒ナンバー)とスマホがあればOK
つまり、**「荷主を探さなくても始められる働き方」**として、初心者にも人気です。
始め方の流れ
- 各社の業務委託募集ページや求人サイトから応募
- 面談・車両確認(またはリース相談)
- 契約締結、研修受講(マニュアル・OJTあり)
- 支給されるスマホ端末や制服の受け取り
- 稼働開始(初日は同乗研修ありの場合も)
初期費用の目安
項目 | 費用目安 |
---|---|
車両購入・リース | 0〜50万円(中古 or リース) |
任意保険・登録費用 | 約1万円/月〜 |
装備(スマホ・台車・バッグ等) | 約1〜3万円 |
合計 | 約0〜10万円(リース&貸与ありならもっと少) |
収入の目安と働き方
案件の単価はエリア・繁忙期・担当ルートにより異なりますが、目安は以下の通り:
- フル稼働(月22〜25日):月収30万〜50万円前後
- 午前・夕方など短時間型:月収10万〜25万円
報酬は「1個あたり○円」や「1日○円の保証型」など、契約形態により変動します。
メリット|安定と安心感が欲しい人に最適
- 荷物は毎日提供されるため、自分で営業・開拓は不要
- 配送ルートが決まっており、慣れれば効率よく回れる
- 制服や業務マニュアルがあり、初めてでも不安が少ない
- 法人案件などよりも**“宅配スキル”が身につきやすい**
デメリット|自由度が低く、体力面もハード
- 担当エリア・時間帯が固定され、自由な働き方には不向き
- 1日100個以上の配達もザラで、体力的にハードな日が多い
- 単価が安めに設定されていることもあり、件数で稼ぐ必要がある
- 業務委託なので、雇用保障や手当は基本的にない
向いている人・向かない人
大手委託が向いている人:
- 安定して案件をもらいながら働きたい人
- 決められた時間・ルートの中で力を発揮できる人
- 宅配のスキルを磨きたい・まずは経験を積みたい人
合わないかもしれない人:
- 自由なスケジュールで働きたい人
- 走るエリアや案件内容を選びたい人
- 起業や営業など、自分で動く裁量を求めている人
他の働き方との比較(ざっくり)
比較軸 | 大手委託 | 赤帽 | アプリ型 |
自由度 | △ | ◎ | ◎ |
安定性 | ◎ | △ | △ |
収益性 | △〜○ | ○〜◎ | △〜○ |
初期費用 | 低 | 高め | ほぼゼロ |
サポート体制 | ◎ | △ | △ |
続ける人・離れる人、それぞれの声と背景
続ける人の声
- 「毎日仕事があるのがありがたい」
→ 自分で案件を探す必要がなく、安定して収入を得られる安心感がある。 - 「慣れると配達が早くなって達成感がある」
→ 同じルート・動線を繰り返すことで、効率が上がり成果が実感できる。 - 「とにかく“今すぐ働ける”という安心感がある」
→ 研修が整っていて、車両リースなど初期負担も少なく、すぐ始められる。
離れる人の声
- 「思ったより自由がなくて窮屈だった」
→ 配達時間、担当エリア、ルート、制服などの制約が多く、裁量が少ない。 - 「体力的にきつく、継続できなかった」
→ 1日100件以上の配達や再配に追われ、特に繁忙期は心身ともに疲弊。 - 「仕事量は多いが、単価が安く感じることもあった」
→ 配達件数を増やさないと月収が伸びず、単価の低さに悩む人も。
他の選択肢として選ばれる理由
- 地域密着型:同じ会社内での柔軟な稼働スタイルが可能で、相談もしやすい
- アプリ型・請負型:配達数や時間を自分で選びやすく、自由度を求める人向け
まとめ:最初の一歩を踏み出すなら、大手委託は心強い
営業なし・案件あり・すぐ働ける。そんなスタートしやすさが魅力の大手委託。
「宅配の現場で稼ぐ力をつけたい」「軽貨物がどんな仕事か試してみたい」 そんな方にとって、最初のステップとして最適な選択肢です。
もちろん、長く続けるか、別の働き方に移るかは後で決めてもOK。
まずは確実に収入を得ながら、軽貨物ドライバーとしての経験値を積んでみてください。