軽貨物ドライバーとして働いていると、季節や社会的なイベントに大きく影響を受けることに気づきます。仕事が多すぎて休む暇がない時期もあれば、急に依頼が減って不安になる時期もあります。これら「繁忙期」と「閑散期」のサイクルを知っておくことは、安定した収入を得るための重要なポイントです。本記事では、軽貨物ドライバーの働き方における季節変動の特徴と、その波をうまく乗り越えるための具体的な工夫をご紹介します。
1. 繁忙期と閑散期の傾向とは？
1-1. 繁忙期の主な時期
軽貨物業界には、年間を通して荷物が急増する時期があります。以下が代表的な繁忙期です。
- 年末年始（11月下旬〜12月末）
クリスマスや年末年始に向けてプレゼントや年越し商品が多く配送され、ECサイトからの荷物も激増します。配達件数が通常の1.5倍〜2倍になることも。 - 年度末・新生活シーズン（3月〜4月）
引越しに伴う家具・家電の配送や、法人の年度末処理の荷物が集中。企業配の需要が特に高まります。 - お中元・お歳暮シーズン（6月〜7月、11月〜12月）
ギフト系の荷物が中心。軽貨物ドライバーにも臨時案件が多く回ってきます。 - 大型セール（Amazon Prime Day、楽天スーパーSALEなど）
ネット通販のセール後は、数日〜1週間ほど配送が殺到します。アルバイトドライバーが動員されるケースもあります。
1-2. 閑散期の傾向と理由
逆に、配送量が落ち着きやすい時期も存在します。
- 1月中旬〜2月中旬
年末年始が終わり、消費者の財布の紐が締まる時期。企業も休暇明けで業務が徐々に戻る段階です。 - 5月のゴールデンウィーク明け
連休中の旅行などで物流がストップし、配送需要が減る傾向に。法人案件も少なめになります。 - 8月（お盆時期）
帰省や旅行により、日用品のネット注文が一時的に減る時期。稼働するドライバーも少なくなりがちです。
2. 収入の波にどう備える？工夫と実践ポイント
2-1. 複数案件を掛け持ちして分散
収入を安定させるためには、1社だけに依存しない働き方が効果的です。宅配便・企業配・チャーター便・スポット便など、ジャンルを分けて取引先を複数確保しておけば、あるルートで仕事が減っても他でカバーできます。
たとえば「平日は定期企業配」「土日はスポットで宅配」といったスタイルを組み合わせることで、閑散期でも一定の稼働を保てます。
2-2. 繁忙期に集中して稼ぐスタイルも選択肢
フリーランスの軽貨物ドライバーであれば、「繁忙期に集中して稼ぎ、閑散期は控えめに働く」といったスタイルも可能です。実際、12月に月収50万円を超えるドライバーもいます。これを前提に年間の生活設計を立てるのも一つの考え方です。
2-3. 閑散期はスキルアップ・車両整備の時間に充てる
仕事が少ない閑散期には、普段なかなか取れない時間を自己投資に充てることをおすすめします。
- 配送ルートの効率化（地図アプリの活用、走行ログの見直し）
- 車両メンテナンス（オイル交換、タイヤ点検、車検の予約など）
- 業務用アプリや配達端末の使い方に習熟
- 会計ソフトで経費処理・帳簿管理
このような準備は、繁忙期にミスなく稼ぐための土台になります。
2-4. 会計管理と貯蓄で波を均す
ドライバーの中には「12月は60万円稼げたけど、1月は15万円だった…」という人も少なくありません。こうした収入の波に対応するには、毎月の生活費や税金支払いを計画的に管理することが必要です。
会計ソフト（例：freee、マネーフォワード）を導入して毎月の売上と経費を可視化し、繁忙期に余剰が出たら口座にプールしておく習慣をつけましょう。
3. 年間を通した戦略的な働き方を意識しよう
3-1. 年間スケジュールを組む
まずは、前年の稼働実績や収入をもとに、繁忙期と閑散期をマイカレンダーに落とし込みます。さらに、1年の中で「ここは稼ぎどき」「ここは休みや学びに充てる」というメリハリを意識しておくと、精神的な負担も軽減されます。
3-2. 人脈やネットワークを広げる
業務委託やスポット便の仕事は、知り合い経由やSNSのグループなどで急に募集されることも多いです。LINEグループやFacebookコミュニティに入っておくと、突然の案件情報をキャッチしやすくなります。
3-3. 収入の波を「不安」ではなく「戦略」に
軽貨物ドライバーの収入は安定しないという声もありますが、見方を変えれば「自由度が高く、自分でコントロールできる」働き方とも言えます。波をネガティブに捉えるのではなく、「繁忙期を逃さず最大化する」「閑散期は充電期間」と捉えれば、むしろ年収ベースではサラリーマン以上の収入も狙える職業です。
まとめ
軽貨物ドライバーの仕事は、季節やイベントに大きく左右されるため、収入の波が避けられません。しかし、その波を事前に予測し、準備し、うまく活用することで、安定した生活と収入を手に入れることが可能です。複数案件の確保、スキルアップ、会計管理など、できることから始めてみましょう。
