「軽貨物ドライバーってどう始めるの?」「業務委託と赤帽、どっちがいいの?」「どの働き方が自分に向いている?」
そんな疑問を抱える方に向けて、この記事では軽貨物ドライバーとして働くための主要な8つのモデルを、特徴・初期費用・自由度・収入・向いている人などの視点から徹底比較して解説します。
個人事業主として独立したい方、副業で少しずつ始めたい方、起業を目指している方など、それぞれの目的やライフスタイルに合わせた選び方をお届けします。
✅ そもそも軽貨物ドライバーとは?
軽貨物ドライバーとは、黒ナンバーの軽バンを使用して荷物を運ぶ仕事です。一般的には以下のような特徴があります:
- 軽四貨物車(例:エブリイやN-VANなど)を使用
- 宅配、企業配、チャーター便など案件多数
- 働き方は「個人事業主」が基本
- 自分の裁量で働ける反面、収入も自己責任
最近では、副業やフリーランスという言葉の普及もあり、「自由に働けて収入も青天井」として人気が高まっています。
ただし、選ぶ会社や働き方モデルによって稼げる額も働き方も大きく異なるため、事前の比較と理解が欠かせません。
✅ 軽貨物の働き方8モデル比較表
働き方 | 自由度 | 安定性 | 初期費用(目安) | 収益性 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|---|
赤帽 | ◎ | △ | 約60〜120万円 | ◎ | 営業で稼ぎたい人 |
大手委託 | △ | ◎ | 約0〜20万円 | ○ | 安定重視の人 |
地域密着型 | ○ | ○ | 約10〜30万円 | ○〜◎ | 地元で続けたい人 |
フランチャイズ | △ | ◎ | 約50〜150万円 | △〜○ | サポート付きで始めたい人 |
マッチングアプリ型 | ◎ | △ | 約0〜5万円 | △〜○ | スキマ副業をしたい人 |
請負パートナー型 | △〜○ | ○ | 約0〜10万円 | ○ | 営業なしで始めたい人 |
複業・副業型 | ◎ | △ | 約0〜5万円 | △ | 本業を持ちつつ働きたい人 |
起業・法人化 | ◎ | △ | 約30〜200万円 | ◎ | 軽貨物で事業を作りたい人 |
✅ 各モデルの特徴と始め方・メリット・デメリット
1. 大手委託(ヤマト・佐川・郵便局など)
特徴: 誰もが知る大手の宅配会社と契約して、専属ドライバーとして決まったエリアを回るスタイルです。
始め方: 募集サイトや営業所から応募 → 面談・契約 → 稼働開始
初期費用: 車両リース代・保険料・装備品などで約0〜10万円
メリット:
- 案件が安定していて稼働しやすい
- ブランド力があるので信頼されやすい
- マニュアルやルールが明確で安心
デメリット:
- 時間や働き方に融通が利かない
- 単価が低めで件数勝負になりやすい
向いている人: 安定重視/まず始めてみたい初心者
2. 赤帽(全国赤帽軽自動車運送協同組合)
特徴: 組合に加盟し、赤帽専用車を使ってフリーで配送する独立型スタイルです。
始め方: 赤帽協同組合に問い合わせ → 加盟手続き・講習受講 → 専用車両の購入と整備
初期費用: 約50〜100万円(車両代+加盟金+装備品)
メリット:
- 自由に営業・選べる仕事の幅が広い
- 長く続けると高単価・固定客の獲得も可能
- 地域密着で信頼関係を築ける
デメリット:
- 自営業なので集客・営業が必要
- 開業資金が高めで覚悟が要る
向いている人: 自由に稼ぎたい人/地元で独立したい人
3. 地域密着型業務委託
特徴: 地元の中小企業が運営する配送会社と契約し、企業配や宅配など地域密着型の案件を担当します。
始め方: 求人サイトや紹介経由で地域の委託会社に応募 → 面談 → 車両準備 → 稼働開始
初期費用: 約0〜30万円(車両持込またはリース、保険加入、装備品)
メリット:
- フル稼働すれば高収入も可能(月収40万円超の事例も)
- 柔軟なシフト対応やエリア相談がしやすい
- 地元の人間関係や信頼を築きやすい
デメリット:
- 会社によってサポート体制にバラつきがある
- 案件の波があるエリアでは収入に変動あり
向いている人: 地元で腰を据えて働きたい人/中長期で安定を目指す人
4. フランチャイズ型(ヤマトFC/SBSなど)
特徴: 宅配のフランチャイズ加盟店として、指定エリアで配送を担当。FC本部のブランドやノウハウを活用できます。
始め方: FC説明会参加 → 契約 → 本部研修 → 専用車用意 → 稼働開始
初期費用: 約50〜150万円(加盟金、車両、備品費用)
メリット:
- 信頼性のあるブランドで営業不要
- ノウハウ・システムが整備されている
- 案件供給が安定している
デメリット:
- ロイヤリティや規則が厳しいことがある
- 自由な働き方は難しい
向いている人: 初めてで不安な人/ブランド力で安心して始めたい人
5. マッチングアプリ型(PickGo/ハコベルなど)
特徴: アプリを使って案件を検索・応募し、単発〜短期案件で配送する自由度の高いスタイル。
始め方: アプリに登録(車両・免許証などの登録) → 審査 → 案件選択 → 稼働
初期費用: 約0〜5万円(車両持込またはカーシェア、スマホアプリのみでOK)
メリット:
- 副業・スキマ時間で働ける
- 自由に働けて場所や時間を選べる
- 面倒な面接・契約不要
デメリット:
- 地域によって案件数に差がある
- 安定収入には向かない
向いている人: 自由重視/副業として始めたい人
6. 請負パートナー型(サブ契約モデル)
特徴: すでに契約を持っている配送会社の下請けとして配送を担う形態。案件提供型で営業不要。
始め方: 委託会社に登録 → 面談 → 稼働スケジュールと案件調整 → 稼働開始
初期費用: 約0〜10万円(車両リース+保険など最低限)
メリット:
- 案件提供があるため営業が不要
- 初心者でも始めやすい
- 短期やお試しでの稼働も可能
デメリット:
- 中間マージンが発生し、報酬が減る
- 案件を選べない・変更しづらい
向いている人: すぐ稼働したい/営業が苦手な人
7. 複業・短時間モデル
特徴: 週1回〜短時間でも稼働できる案件に特化。家庭・副業との両立を意識した柔軟な働き方。
始め方: 副業歓迎の配送会社やアプリに登録 → 空き時間を申告 → 稼働
初期費用: 約0〜5万円(車両レンタルなど最低限)
メリット:
- 短時間・曜日限定でも稼働できる
- 働く量を自分で調整できる
- 副業に最適な柔軟性
デメリット:
- 安定収入にはならない
- 稼働エリアや時間帯によっては案件が少ない
向いている人: 子育て・副業中の人/負担を抑えて始めたい人
8. 起業・独立開業
特徴: 自ら営業して荷主と契約し、法人化や車両複数台体制も目指せる完全独立型。
始め方: 開業届提出 → 車両取得・保険加入 → 荷主開拓 → 稼働開始
初期費用: 約30〜200万円(車両購入・サイト制作・営業費など)
メリット:
- 利益率が高く、収入を自分で最大化できる
- 自由な案件選択・働き方が可能
- 法人化で事業拡大も視野に入る
デメリット:
- 営業・経理・管理も全て自力で必要
- 案件獲得までは時間がかかる場合も
向いている人: 経営志向の人/配送を軸にビジネス展開したい人
🧭 あなたに合うおすすめモデルを選ぶ3つのヒント
① 目的で選ぶなら…
目的 | おすすめのモデル |
---|---|
安定して稼ぎたい | 大手委託/FC型 |
自由に働きたい | 赤帽/起業/アプリ型 |
副業から始めたい | アプリ型/複業型 |
自分の会社にしたい | 赤帽→法人化の流れ |
② 性格で選ぶなら…
性格タイプ | 向いているモデル |
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コツコツ派 | 大手委託/地域密着 |
営業好き | 赤帽/起業 |
完全自由派 | マッチングアプリ/副業型 |
サポート重視 | フランチャイズ型/請負型 |
③ 働く時間で選ぶなら…
- フルタイムで稼ぎたい:赤帽/地域密着/大手委託
- 週2〜3日で働きたい:マッチングアプリ/請負パートナー
- スキマ時間で副収入:複業型/アプリ型
🔍 それぞれの働き方を、もっと詳しく知りたい方へ
始め方・稼ぎ方・向き不向き・実際に続けている人の声を詳しく知りたい方は、こちらの特集記事もどうぞ:
- 赤帽で働くとは? ▶︎ 第1回
- 大手委託で働くとは? ▶︎ 第2回
- 地域密着型とは? ▶︎ 第3回
- フランチャイズ型とは? ▶︎ 第4回
- マッチングアプリ型とは? ▶︎ 第5回
- 請負パートナー型とは? ▶︎ 第6回
- 複業・副業としての軽貨物 ▶︎ 第7回
- 起業・法人化とは? ▶︎ 第8回
✅ まとめ:あなたの目的に合った働き方が、長く続けられる秘訣になる
軽貨物ドライバーという仕事は、自由度が高く、自分らしい働き方を実現しやすい職種です。
ただし、「どこに所属するか」「どう始めるか」で、働き方・収入・生活リズムは大きく変わります。
今回紹介した8つのモデルは、それぞれに強みもリスクもあるからこそ、自分に合ったものを選ぶことが最大のポイントです。
焦らず、比較して、自分のペースで選んでいきましょう。
このガイドが、あなたのキャリアの第一歩となれば幸いです。